かつ銀が教える!肉汁あふれるとんかつ 二段階火入れの極意

はじめに:とんかつの本当の美味しさって、何だと思いますか?

サクサクの衣、ジューシーな豚肉。誰もが大好きなとんかつですが、
「包丁を入れた瞬間に肉汁が溢れ出す」
そんな経験をしたことはありますか?

実は、とんかつの美味しさの秘密は
「火入れ」にあるんです。
揚げ物というと「高温でカラッと」というイメージが強いですが、本当に美味しいとんかつを作るには、もう一つ大切な工程があります。
私たち「かつ銀」では、創業以来70年以上にわたって、この「火入れ」の技術を磨き続けてきました。
今回は、その秘密の一端をご紹介させていただきます。

プロが実践する「二段階火入れ」の極意
1. 高温でサッと揚げる(一次火入れ)

まず最初に、180度の油で衣がきつね色になるまで揚げます。
この段階では、実は中心部まで完全に火を通していません。
表面をカリッと仕上げることで、肉汁を内側に閉じ込める「壁」を作るんです。
ポイントは、揚げ時間を短めにすること。厚さ3センチのロースカツなら、
約3分程度。「えっ、それだけ?」と思われるかもしれませんが、
ここが重要なんです。
2. 余熱でじっくり火を通す(二次火入れ)

油から上げたとんかつを、すぐにお皿に盛りつけてはいけません。ここからが「プロの技」の見せ所です。
揚げたてのとんかつを、金網の上で5分ほど休ませます。この間に、外側の熱が徐々に中心部に伝わり、肉の繊維を優しく加熱していきます。温度計で測ると、中心温度は約65度。これが、豚肉が最もジューシーになる温度なんです。
なぜこの方法で肉汁が溢れるのか
通常の揚げ方では、高温で一気に火を通すため、肉の繊維が急激に収縮してしまいます。
すると、せっかくの肉汁が外に押し出されてしまうんですね。

一方、二段階火入れでは、
肉の繊維への負担を最小限に抑えながら、じっくりと火を通していきます。
その結果、肉汁が肉の中にしっかりと保持され、
包丁を入れた瞬間に「ジュワッ」と溢れ出すんです。

実際にかつ銀の厨房では、この技術を身につけるまでに、職人は何百枚ものとんかつを揚げて練習します。
温度管理、時間配分、そして肉の状態を見極める目。
すべてが揃って初めて、理想のとんかつが生まれるんです。

家庭でもできる!簡単アレンジ版

「でも、プロの技術は難しそう…」
そんな声が聞こえてきそうですね。
大丈夫です!家庭でも実践できる簡単な方法をご紹介します。
家庭版・二段階火入れのコツ
- 揚げ油の温度は170度スタート

- プロは180度ですが、家庭では少し低めがおすすめ
- 温度計がない場合は、菜箸を入れて細かい泡が出る程度
- 揚げ時間は「8割火入れ」を意識

- 通常より1分ほど短めに
- 衣がきれいなきつね色になったらOK
- 休ませる時は新聞紙の上で

- キッチンペーパーだと油を吸いすぎてしまいます
- 新聞紙なら適度に油を吸収し、カラッと感を保てます
- アルミホイルで軽く覆う

- 保温効果で余熱調理を促進
- ただし、密閉はNG。蒸気で衣がしなってしまいます
かつ銀で体験できる「肉汁溢れるとんかつ」
もちろん、プロの技を直接味わっていただくのが一番です。
かつ銀では、この二段階火入れを基本に、さらに独自の工夫を加えています。
例えば、使用する豚肉は、脂の融点が低い品種を厳選。
これにより、口の中でとろけるような食感を実現しています。
また、パン粉も自家製で、油の吸収率を計算して作っているんです。

静岡県内に展開するかつ銀各店では、この技術を習得した職人が、
一枚一枚丁寧にとんかつを仕上げています。
特に、できたてを味わっていただきたいという思いから、
注文を受けてから揚げ始めるスタイルを貫いています。

まとめ:美味しさの秘密は「待つこと」にあり

「包丁を入れた瞬間に肉汁が溢れる」
とんかつ。その秘密は、実は「待つこと」にありました。
高温で一気に仕上げるのではなく、じっくりと火を入れることで、肉本来の美味しさを最大限に引き出す。
これが、70年以上かつ銀が大切にしてきた技術です。
ぜひ一度、お近くのかつ銀で、プロの火入れ技術を体感してみてください。
そして、ご家庭でも、今回ご紹介したコツを試してみていただければ嬉しいです。
美味しいとんかつで、皆様の食卓がより豊かになりますように。
店舗情報
かさねとんかつ かつ銀
かつ銀沼津東椎路店
かつ銀静岡SBS通り店
かつ銀大井川グランリバー店
かつ銀富士青島店
かつ銀富士宮阿幸地店
かつ銀三島北上店